マンション地下の湧水事故

 マンションの地下1階にある店舗部分を購入したところ、床のコンクリートの割れ目から水が滲んで出てきたり、店舗入り口前の廊下に水たまりができたりしたので、調査したところ、原因がマンショの敷地地下からの湧水であるとした場合、その修繕費用は専有部分である店舗の区分所有者が負担するのでしょうか、それとも共用部分を管理するマンション管理組合が負担するのでしょうか。

 地下からの湧水であれば、建物の構造の一部である基礎部分に亀裂等の瑕疵がある可能性があります。湧水の箇所が店舗床面だけでなく、共用部分である廊下もあるのであれば、なおさら建物の基礎に瑕疵があることになります。

 基礎部分は共用部分であり、同部分の瑕疵は区分所有者全員の負担で、すなわち管理組合が修繕すべきです。

 修繕ではなく、専有部分である店舗の床面に湧水が溜まる穴を作り溜まった水をポンプで排水する施設を作る工事をするのであれば、その工事費用や維持費は管理組合が負担すべきです。湧水が溜まる穴やポンプの接地面を確保するため店舗が使用できないのであれば、同部分について管理組合と賃貸借契約を締結したり、使用不能により店舗営業に支障を来し損害を被るのであれば損害賠償請求をしたりすることも考えられます。

 湧水の箇所が店舗床面のみであったとしても、その区分所有者が単独で責任を負うということにはなりません。

 これに対し、店舗改装工事の際に建物の基礎部分を損傷し、それにより湧水が起こったのであれば、区分所有者が修繕義務を負担することになります。

 共用部分である建物の基礎部分からの湧水により損害を被ったということであれば、マンション管理組合に修繕や損害賠償の請求をすることができますので、建物の図面、湧水の写真、店舗営業の損害などに関する資料をお持ちになり、弁護士にご相談ください。

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