売買した土地が契約内容に適合しない場合、売主は責任を負うのか?

 土地を購入したら、欠陥が発見された場合、買主は売主に責任を追及できるのでしょうか。

 改正前の民法では、売買の目的物に「隠れた瑕疵」がある場合は、売主は、契約解除や損害賠償といった担保責任を負います。これを瑕疵担保責任といいます。これに対し、改正後の民法では、まず買主に追完請求権を行使することを認めました。すなわち、売買の目的物が、種類、品質または数量に関して契約の内容に適合しないものであるとき、買主は、目的物の修補、代替物や不足分の引渡しによる履行の追完を請求することができます。また、改正後の民法では、追完請求以外にも一般的に代金減額請求ができるようになりました。すなわち、買主が相当の期間を定めて履行の追完の催告をし、その期間内に履行の追完がないときは、買主は、その不適合の程度に応じて代金の減額を請求することができます。ただし、▽履行の追完が不可能である、▽売主が追完を拒絶する、▽特定の日時または一定の期間内に履行をしなければ契約をした目的を達することができないのに売主が追完をしないでその期間が経過する、▽買主が催告をしても追完を受ける見込みがない場合は、買主は、催告をすることなく、直ちに代金の減額を請求することができます。これらの請求とは別に、契約解除や損害賠償の請求をすることもできます。

 改正前の「隠れた瑕疵」、改正後の「契約の内容に適合しない」欠陥の具体例を、不動産に関していえば、土地造成が不十分であったため建物が傾斜した、建物の土台が腐食しているなどの理由により建物の倒壊の危険が高い場合が挙げられます。また、建物建築を目的として土地を購入したのに、都市計画法に基づく市街化調整区域内にあるため建築ができない場合があります。

 売主に対する各請求は、売主との交渉がまとまらなければ裁判を起こさなければなりません。不動産の売買契約書や登記簿謄本、欠陥を証明する資料などをお持ちになり、ご相談ください。

 改正前の民法では、買主の売主に対する瑕疵担保による損害賠償請求権は、買主が事実を知った日から1年か、買主が売買の目的物の引き渡しを受けたときから10年を経過すると時効消滅します。これに対し、改正後の民法では、買主が目的物の種類または品質に関する契約内容の不適合を知った日から1年以内にその旨を売主に通知しないときは、買主は、売主が契約内容不適合を知り、または重過失により知らなかった場合を除き、契約内容不適合を理由として、履行の追完、代金の減額や損害賠償の請求、契約の解除をすることができなくなりますので、お早めにご相談ください。

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