店舗での転倒事故

店舗での転倒事故による人身傷害に関する損害賠償

photo420001 顧客としてショッピングセンターや飲食店、銀行などの店舗内を歩行していたときに、通路・床面で滑ったり、段差・突起物でつまずいたりして転倒することがあります。

 単に転んだというだけでも、手足の骨折や捻挫・打撲、顔面の裂傷、脳震盪などの人身傷害を負った場合は、怪我の程度が重大であるほど治療費が高額になり、精神的苦痛も大きくなります。

 そのため、店舗の運営者から適正な損害賠償を受ける必要があります。これらのケースでは損害賠償責任の所在の追及が重要です。

 転倒は店舗の屋内・屋外のどこでも起こりえますが、特に店舗内での転倒に対し店舗経営者等に訴訟を起こすケースが増えています。

 コンビニエンスストア内で、顧客が水拭き後の濡れた床で滑り転倒して負傷した事故につき、大阪高裁判決(平成13年7月31日)は、「コンビニエンスストアは、年齢、性別、職業等が異なる不特定多数の顧客に店側の用意した場所を提供し、その場所で顧客に商品を選択・購入させて利益を上げることを目的としているのであるから、不特定多数の者を呼び寄せて社会的接触に入った当事者間の信義則上の義務として、不特定多数の者の日常ありうべき服装、履物、行動等、例えば靴底が減っていたり、急いで足早に買い物をするなどは当然の前提として、その安全を図る義務がある」とし、水拭きをした後に乾拭きをするなど床が滑らないような状態を保つ義務の違反が認められました。

 ただし、この転倒事故は、コンビニチェーンの加盟店を経営するフランチャイジーではなく、コンビニチェーンを展開するフランチャイザーの責任が問われた事案なのですが、具体的に乾拭きをするなどの義務を負うのはフランチャイジーであるとされました。他方、フランチャイザーは、フランチャイジー、またはフランチャイジーを通してその従業員に対し、顧客の安全確保のために、モップによる水拭き後、乾拭きするなど、顧客が滑って転んだりすることのないように床の状態を保つよう指導する義務があるのに、これを怠ったとして、フランチャイザーの損害賠償責任が認められました。

 また、ショッピングセンターのアイスクリーム売場前でショッピングカートを押しながら歩行中の女性客(事故当時71歳)がアイスクリームに足を滑らせて転倒し負傷した事故につき、岡山地裁判決(平成25年3月14日)は、コンビニエンスストアと同様の義務を肯定した上で、ショッピングセンター運営会社は、アイスクリーム売場付近の通路の床面にアイスクリームが落下した状況が生じないようにすべき義務を尽くさなかったとして、損害賠償責任を認めました。

 さらに、銀行の利用客が店舗の出入り口に敷かれた足拭きマットに足を乗せた途端にマットが滑り転倒して負傷した事故につき、東京高裁判決(平成26年3月13日)は、銀行には、顧客がマットの上を通常の態様で歩行するに当たって加えられる力により床面上を滑ることがないように整備しておく義務を認めた上で、事故当時マットはその裏面が湿潤し、かつ、波打った滑りやすい状態で敷設されていたことから出入り口の安全確保義務に違反するとし、銀行の損害賠償責任を認めました。

 このように店舗での転倒による事故では、事故現場の状況に応じた店舗側の義務を検討しなければなりませんので、まずは弁護士に相談されることをお勧めいたします。

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