退職した会社が雇用保険に未加入であったため求職者給付の受給ができない場合、どのような手続をすればいいのでしょうか。
雇用保険の保険関係は事業が開始された日に成立しますので、原則として、労働者は雇用されると同時に雇用保険の被保険者としての資格を取得します。ですから、事業主が届出や保険料納付の手続を怠っている場合でも、求職者給付を受けられることになります。
事業主が被保険者となったことの届出を怠っていた場合、労働者は、事業所の所在地を管轄する公共職業安定所長に対して、被保険者となったことの確認を請求することができます。
これとは別に、雇用保険の被保険者資格があるのに、事業主が資格取得手続を怠ったことにより損害を被った場合には、会社に対して損害賠償請求をすることもできます。損害は、天引きされていた保険料、受給できなかった保険給付相当額のほか、慰謝料、弁護士費用も認められています。
雇用保険だけでなく、社会保険(健康保険、厚生年金保険)の未加入でも損害賠償請求することができます。
ただし、雇用保険、健康保険、厚生年金保険のいずれも、被保険者はいつでも資格取得の確認請求をすることができるので、この確認請求を怠ると過失相殺の対象になることがあります。