通勤中の事故で労災保険は出るか

 通勤中に駅の階段で転んで足の骨を折ったなど、労働者が通勤中にケガをすることを「通勤災害」といいます。

 通勤災害と認められれば、労災保険から治療費や休業補償などの給付が支給されます。

 しかし、寄り道をして通勤経路を逸脱し、移動を中断した場合は「通勤」とは認められません。

 ただ、日常生活上必要な行為のための寄り道であれば、経路に戻った後は再び「通勤」となります。例えば、夕食の総菜などの日用品を買う、床屋で散髪する、病院で治療を受ける、選挙の投票をする、独身者が食堂で食事をするなどの例が当たります。
家の近くのスーパーで歯磨き粉を買って帰る途中であったという場合は、日常生活上必要な行為といえます。スーパーから出てケガをしたのが経路上であれば、通勤災害となり、労災保険給付が受けられます。

 それでは、会社帰りに酒を飲んでから帰宅する場合はどうでしょうか。

 長時間にわたって、居酒屋で酒を飲んだり、映画や展覧会などを観たりする行為は、経路の逸脱、通勤の中断になります。その場合は、原則として、それ以降は「通勤」になりません。

 酒を飲むといっても仕事で接待をするときは、その会合が業務との関連性が強いのであれば、帰り道は「通勤」と認められることがあります。

 通勤災害に当たる場合は、労働基準監督署に労災保険給付の支給請求をしてください。

新着情報の最新記事

弁護士による労災事故・過労死の損害賠償のご相談 事故の人身傷害による後遺障害・慰謝料の請求は、つまこい法律事務所にご相談ください。 03-6806-0265 受付時間:平日 9:00~18:30 (当日相談可能) JR御徒町駅より徒歩5分 ご相談の予約