辞職予告期間と退職の効力

 9月1日に社長に退職する旨を伝えたけど、退職届の受領を拒否され、それでも退職する意思があることを表明し、9月16日から出勤しなかったところ、社長から電話があり労働契約書に「退職は業務の引き継ぎをしてから4か月後とする」と定められていることを理由に、「退職は認めない」と言ってきた場合、退職は認められないのでしょうか。

 期間の定めがない労働契約であれば、民法上、2週間前に辞職の意思表示をすると、退職することができます。

 辞職の意思表示は、退職届の受理が要件ではなく、口頭でもよいので、9月1日に退職届を社長に提出しようとし、辞意を伝えたことが、明確な辞職の意思表示と認められれば、退職届が受理されなくても、辞職の意思表示が会社に到達したことになります。

 次に辞職の効力が発生する期間ですが、労働契約書に業務引継後4か月という辞職予告期間が定められていたとしても、民法に比べて、労働者の辞職の自由を不当に拘束するものであり、不合理な条項であるとして無効になる可能性があります。

 労働契約書の辞職予告期間が無効となれば、民法の原則通りとなります。この場合、口頭で退職する旨を伝えてから2週間後の9月15日を経過すれば辞職の効力が発生し、労働契約が終了することになります。

 したがって、退職は認められ、9月16日以降は出勤する必要はありません。

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