毎週月曜から金曜まで1年以上勤務しているアルバイトが年次有給休暇を取得しようとしたところ、社長から「アルバイトには年休がない」と言われたら、年休を取ることはできないのでしょうか。
アルバイトであっても、所定労働日数が週5日以上の者については、労働基準法に基づき、通常の労働者と同じ日数の年休権が発生します。社長が「ない」と言っても、労働者に年休権が発生しているのであれば、その指定する時季に年休を取得することができます。
会社は事業の正常な運営を妨げる事由があれば年休取得の時季を変更することはできますが、年休権の行使を理由もなく妨げる、また年休権の発生自体を否定して年次有給休暇を取得させないといった行為は違法となります。これは労働基準監督署の行政指導の対象となり、悪質な場合は刑事罰が科されるものです。
会社が年次有給休暇を認めず、取得日数分の賃金をカットした場合は、これも違法となり、行政指導や刑事罰の対象となります。
会社が任意に賃金を支払わないのであれば、裁判に訴えることができます。
会社が年次有給休暇を認めないのは違法ですから、これを取得したことを理由とする解雇をしたとしても、解雇に客観的に合理的な理由はありませんので、無効となります。もし解雇された場合は、解雇無効を理由に労働契約関係上の地位の確認請求をする裁判を起こすことができます。