家を借りて住んでいるとき、大家が、「家屋が老朽化したので壊さなければならない」と言って契約の更新をしてくれないということがあります。
建物が老朽化により居住すると危険な状態であり、近隣にも迷惑を及ぼすようなおそれがあれば、大家が立ち退きを求める正当事由が認められます。
古いけれどもしっかりした建物であれば、単に老朽化したというだけで更新拒絶の正当事由は認められません。この場合は、住み続けて構いません。
それでは、大家が「実は地主からこの土地を明け渡すように言われているから、立ち退いてくれ」と言う場合はどうでしょうか。
地主の借地契約の更新拒絶に正当事由がない場合、地主と大家が借地契約を合意解除した場合は、借家人が建物を明け渡す必要はありません。
これに対し、大家が地主に地代不払をしているなど借地契約が解除される理由があれば、大家は建物を壊して土地を明け渡さなければならず、借家人も建物を明け渡さなければなりません。この場合、立ち退き料を認める法律上の規定はありませんが、大家の都合で建物を使用できなくなるわけですから、借家人は、大家に損害賠償請求をすることはできます。