親の認知症が進んだ場合の財産管理-成年後見

 父の認知症が進んでいます。父は母と別れ、他の女性と父の自宅で暮らしています。その内縁の妻が父の財産を勝手に処分しているようです。どうしたらよいでしょうか。

 内縁の妻が夫婦の生活費として使うのであれば問題はありません。しかし、父の精神的な混乱や妄想がふえ、財産を管理できるような状態ではなく、自分の財産を内縁の妻が処分していることも分かっておらず、内縁の妻の財産処分が生活費をはるかに超えているのであれば、妻と認められても夫の財産を勝手に処分することはできません。二人の暮らしは父の年金収入でまかなっているということであれば、宝石や高価な着物を買うのは浪費ですし、父名義の株を勝手に運用しようといった場合も、生活費を超えているといえます。

 内縁の妻が不当に財産を処分しているようでしたら、子が父の生活、療養看護、財産管理の手助けができるよう、家庭裁判所に成年後見人の申し立てをすることができます。

 成年後見制度には、法定後見と任意後見があります。任意後見は、将来、自分に判断能力がなくなったときのため、信頼できる人を後見人に定めておく制度です。これに対し、法定後見は、精神上の障害で判断能力が衰えた人を保護するため、後見人が財産管理をする制度です。判断能力の程度によって、重い方から後見、保佐、補助の3つの制度があり、管理できる範囲も変わってきます。

 判断能力をはかるには医学鑑定が必要です。医者に相談のうえ、家庭裁判所に成年後見の申し立てをします。成年後見人となった第三者が後見監督人または家庭裁判所の監督のもとで財産の管理等の事務を行います。

 家庭裁判所に成年後見の申し立てをするには事前準備が必要です。用意する資料が多数に上りますが、弁護士が代理人となって書類の作成をし、申し立てをすることができますので、お早めにご相談ください。

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