30代男性がスレート屋根の上で作業中に屋根が壊れて作業場に転落し、後遺障害を負った事案

事案と受任前

 本件は、被災者(30代男性)が、工場長より、工場のスレート屋根に昇り、ファンの掃除をして、ペンキを塗るよう指示されたので、ファンを掃除していたところ、突然屋根に葺かれたスレートが割れたことから、工場内に転落し、頭部、頸部、腰部左下肢を強打して、頭部外傷、腰椎捻挫、両下肢と胸部の挫傷、全身打撲の傷害を負った事案です。

 左膝関節拘縮等の後遺障害を負い、従前のように就労することが困難になったことから、当職が代理人に就任して会社に損害賠償請求をすることにしました。

弁護活動と結果

 会社は、労働安全衛生法上、足場を組み立てる等の方法により作業床を設けたり、防網を張ったり、労働者に安全帯を使用させたりして墜落を防止する義務を負っており、これは安全配慮義務の内容にもなります。高所作業における転落防止措置をとっていなかったのであれば、労働安全衛生法違反になるとともに、損害賠償責任を負います。また、工場は鉄骨にスレートを葺いただけで、ファンのある屋根部分に補強をしていなかった土地工作物責任も負うことになります。

 このような責任を構成して、会社宛に損害賠償を請求する催告書を送付したところ、会社にも代理人が就き、示談交渉をしました。交渉は難航し、その間に消滅時効が完成しそうになったので、あらためて時効中断の催告をして交渉期間を確保しました。

 交渉の結果、会社が損害賠償金を支払う示談が成立しました。

解決のポイント

 交渉が決裂しそうになったので、訴状も作成して提訴も辞さない意思を会社代理人に示して、粘り強く交渉したことが、示談成立につながり、早期の解決ができたと考えます。

労災事故(墜落・転落)に関するその他解決実績

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