飲食店店長(男・20代)が長時間労働や経営者のパワハラにより自殺未遂をし、後遺障害を負った事案の労災認定

事案と受任前

 本件は、飲食店店長(20代男性)が、朝は仕込みから夜は閉店後の後片付けまで十分な休憩も取れずに長時間労働に従事していたのに、経営者から暴行や叱責等のパワハラを受けたことから、急性ストレス反応を発病し、2005年5月20日、店内で自己の左手首と頚部を包丁で切りつけ、自殺未遂を図った事案です。

 過労死110番に相談があり、当職が代理人に就任しました。

弁護活動と結果

 まず調査として、被災者が自宅で作業をするため持ち帰っていた調理マニュアル、レシピ表や収支目標などの資料を分析し、本人の詳細な陳述書を作成するとともに、部下の契約社員、婚約者と父親の陳述書も作成しました。経営者には、あえてパワハラを追及せずに労災認定に向けた協力を得ることにしました。必要な証拠を揃えた上で、渋谷労働基準監督署に労災申請をしました。

 その結果、渋谷労働基準監督署長は、2006年、被災者が長時間労働や経営者のパワハラにより強度の心理的負荷を受けたことから自殺未遂をしたことを肯定し、労働災害(労災)と認定しました。

解決のポイント

 弁護士が初動の段階から必要な調査をするだけでなく、経営者の協力を得たことが労災認定に結びつきました。

 なお、依頼者よりコメントをいただきました。詳しくは「依頼者の声」をご覧ください。

過労死(労災保険)に関するその他解決実績

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