マンションのピロティが法定共用部分と認定されて管理組合が勝訴した事案

【事案と受任前】

 マンション敷地の所有者が、竣工時より、通路・裏側入口として建築された1階のピロティを駐車場として使用していたところ、マンション管理組合がピロティは法定共用部分であるとして管理し始めたことから、敷地所有者は、建物のピロティ部分も所有権を有しているとして、管理組合に対し、その明け渡しと使用料相当損害金を請求して東京地裁に提訴してきました。

【弁護活動と結果】

 東京地裁平成26年10月28日判決(判例時報2245号42頁)は、ピロティが、南側と西側にしか壁面がなく、独立した物的支配に属する程度の遮断性があるとは認められず、構造上の独立性を有しない空間として完成したことから、構造上の独立性がなく、また、ピロティに隣接する1階店舗部分を賃借した業者がピロティを駐車場として使用していたとしても、区分所有者や居住者がピロティを自由に通行することができたから、利用上の独立性も認められないとして、法定共用部分であると認定しました。

【解決のポイント】

 訴訟では、マンション建築前の設計図書、ピロティの構造や容積率、建築確認と登記における延べ面積、ピロティに隣接する1階店舗部分の設計変更と竣工後の出入口設置の経緯、ピロティ東側簡易壁の竣工後設置の経緯、固定資産税の賦課状況、ピロティの電源と電気料金の負担、共用設備の設置状況と管理の必要性、通路としての利用状況と避難路としての必要性などの事情を具体的かつ詳細に主張し、できる限りの資料を収集して、敷地所有者と管理組合の管理者の尋問に臨んだことが解決のポイントであると考えます。

 

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