安全装置が解除されたプレス機の操作中に手指が巻き込まれた労災事故の損害賠償

印刷工場でプレス機を操作していたところ、業務効率を優先して機械の安全装置を解除したことから、機械に手指が巻き込まれて、手術をしたものの指の関節が動かなくなった場合、会社に損害賠償請求をすることはできるのでしょうか。

 機械操作中に人身傷害を負った労災事故の中でも、プレス機の事案が多いのですが、裁判例は、プレス機に安全装置を取り付け、プレス機と機械に設置した安全装置が正常な機能を発揮するよう整備するとの安全配慮義務を認めています。

 具体的な安全装置としては、▼機械の間に手が入らないようにカバーを設置する、▼手など身体の一部が危険限界内にあるときには機械が停止する装置を設ける、▼誤って人体が挟まれたら直ちに解放できる装置を設けることなどが裁判例で指摘されています。

 また、安全装置を設置していても、プレス機は複雑な可動部分を含む機械であるので、その装置またはプレス機本体の機能に突発的不調が発生する場合に備えて安全保護具の使用等別系統の安全保持のための措置をも併せ講じる安全配慮義務も認められています。

 プレス機に安全装置が設置されていても、これを解除しており、安全装置が作動し得る状態でなかったのですから、このことにより手指を巻き込まれて人身傷害を負ったのでしたら、その労災事故について、会社に対し、手術費用や入院費用などの治療費、仕事を休んだ期間の賃金、後遺障害があるため従前の仕事ができずに正社員からパートタイムに切り替えたことにより減収となった賃金、慰謝料などの損害を賠償するよう請求することができます。

 パートタイムとして引き続き就労しており、自身で会社と交渉しづらいということであれば、弁護士が代理人となって示談にすることができますので、お気軽にご相談ください。

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