債務整理の手続

 消費者金融業者やクレジット会社からの借金が返済できなくなったとき、弁護士に委任するメリットがあります。それは次のとおりです。

  1. 弁護士が受任通知を発送すれば、債権者は債務者への取立が制限される。
  2. 弁護士から業者への取引履歴の開示請求ができる。
  3. 利息制限法(元本10万円未満20%、元本10万円以上100万円未満18%、元本100万円以上15%)による 引き直し計算をすれば、債務を圧縮したり、過払になっていれば返還請求をしたりする。

 債務整理手続については、破産、民事再生(小規模個人再生、給与所得者等再生)、特定調停、任意整理があります。

 手続に要する期間は、破産が破産手続開始決定から約1か月(同時廃止)、2~3か月(管財事件)です。民事再生は認可まで約6か月間、特定調停は調停成立まで3~4か月、任意整理は、裁判所への申し立てをするわけではないので、債権者の協力が得られれば迅速な処理が可能です。

 財産の処分は破産のみで必要となりますが、処分不要の財産は金銭99万円です。

 債務整理案に関する債権者の同意について、給与所得者等再生では不要ですが、それ以外では必要で、小規模個人再生では債権者の過半数の不同意がなければ認可されます。特定調停と任意整理では、元本割れの支払条件では同意は得られにくいです。

 弁護士費用以外の実費については、破産では申立費用のほかに管財事件では管財人報酬20万円、民事再生では申立費用のほかに個人再生委員の報酬15万円が必要であり、特定調停は申立費用のみ、任意整理では申立費用はかかりません。

 どのように債務整理をしていくかの手続選択については、次の表にまとめました。実情に合わせた手続を弁護士とともに検討していきましょう。

 

  破産 小規模個人再生 給与所得者等再生 特定調停 任意整理
裁判所 地方裁判所 地方裁判所 地方裁判所 簡易裁判所 なし
期間 破産手続開始決定から約1か月(同時廃止)、2~3か月(管財事件) 認可まで約6か月 認可まで約6か月 調停成立まで3~4か月 債権者の協力が得られれば迅速処理可
要件 支払不能・支払停止
免責不許可事由があれば免責決定が出ない。
支払不能のおそれ
一般債務5000万円以下
免責不許可事由があっても申立可
支払不能のおそれ
一般債務5000万円以下
免責不許可事由があっても申立可
過去7年以内に免責や給与所得者等再生計画認可を受けていないことが必要
なし
免責不許可事由があっても申立可
なし
免責不許可事由があっても可
財産の処分 必要
自由財産の拡張(金銭99万円)
不要 不要 不要 不要
債権者の同意 不要 債権者の過半数の不同意がなければ認可 不要 調停委員会主導で利息制限法による引直し計算をして債務弁済方法を協定する。元本割れの支払条件では合意は成立しにくい。 必要
元本割れの支払条件では合意は成立しにくい。
将来の収入の見込み 不要 必要 必要 必要 必要
弁護士報酬以外の実費 申立費用のほかに、管財事件では管財人報酬20万円 申立費用のほかに、個人再生委員の報酬15万円 申立費用のほかに、個人再生委員の報酬15万円 申立費用のみ  

 

[弁護士費用]

 詳しくは「法律相談・弁護士費用」をご参照ください。

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