契約社員の雇い止め

契約社員が、3か月ごとに契約を更新しながら働いており、働き始めて2年で、これまで7回更新をしたのに、前回の更新からまだ3か月たっていないにもかかわらず、退職を勧められ、さもなければ雇い止めされるといったケースがあります。

 今、短期の契約で働く労働者が増えていますが、不安定な雇用や劣悪な労働条件などが大きな社会問題になっています。そのため、労働契約法が改正され、通算5年を超える有期労働について、期間の定めのない労働契約の締結の申込みをする権利が創設されました。

 ただ、基本的には、期間の定めがある雇用契約では、期間満了により雇用関係は終了します。契約が更新されなければ、雇い止めとなり、辞めなければならないことになります。

 しかし、仕事の内容が正社員と異ならない、更新手続が形式的なものである、更新回数が多数回に及び、長期間にわたって雇用が継続されている、会社から長期雇用を期待される言動があったなどの事情が認められる場合には、正社員と同じように実質的に期間の定めのない契約と同じであった、あるいは契約が更新される合理的な期待があったということができます。

 例えば、更新手続は、書類にサインをするとしても、印鑑を押すだけの簡単なものにとどまり、ほかにも採用面接で「何年も長く働いてほしい」と言われたといった事情が認められるのであれば、契約社員であっても、雇い止めは実質的に解雇にあたり、客観的に合理的な理由がなければ認められません。

 仕事の種類・内容や更新手続の内容と回数、契約社員の雇用状況や更新拒絶の有無、労働条件、長く働けるような期待を抱かせる状況があったかどうかが雇い止めの効力を判断するポイントです。

 この判断は難しい面があります。まずは資料をお持ちになってご相談ください。契約更新の期待があったかどうかを検討し、雇い止めの効力を争えるという場合は、訴訟や労働審判の申立てをしましょう。

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