健康診断の受診時間は労働時間か?

1日の労働時間は休憩時間を除き実働8時間ですが、実労働時間は、労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいい、客観的に判断します。

 労働安全衛生法は、事業者に医師による健康診断の実施を義務づけています。しかし、労働者一般に行われる一般健康診断は、業務遂行との関連において行われるものではありませんから、労働者が受診に要した時間は当然に「使用者の指揮命令下に置かれている時間」と評価することはできません。ただし、労働者の健康確保は事業の円滑な運営に不可欠なので、労使協議で「労働時間」と定めるのが望ましいといえます。

 これに対し、特定の有害な業務(放射線・鉛・有機溶剤等)に従事する労働者に行われる特殊健康診断は、事業の遂行において当然に行われなければならないから、当然に「使用者の指揮命令下に置かれている時間」と評価できます。有害業務従事者が特殊健康診断を受診した時間を含めれば残業したことになる場合は残業代が発生します。

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