1日の労働時間は休憩時間を除き実働8時間ですが、実労働時間は、労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいい、客観的に判断します。
上司から明確に指揮命令された接待は、「使用者の指揮命令下に置かれている時間」と評価できます。また、明示されなくとも黙示の指示があれば、労働時間と評価できます。
したがって、上司や会社から明示または黙示に指示されて、所定労働時間外に取引先と飲食したり、休日にゴルフに出かけたりして接待することは残業となり、残業代を請求することができます。
さらに、翌日までに仕事を完成させなければならず、事務所において作業ができないなどの事情があれば、黙示の指示があったといえます。
黙示の「指示」があったとまでは認められないとしても、所定労働時間外に業務に従事する必要性が高かった場合は、上司が黙認をしていたり、当該業務従事を事実上許容していたりした場合でも、「使用者の指揮命令下に置かれている時間」と評価されることがあります。
ここで問題となるのが自宅持ち帰り残業ですが、上司が知らない自宅残業は立証が困難ですので、上司の了解を取り付けるべきです。