労災保険

脳疾患・心臓疾患(過労死)と労災裁判

仕事に起因することが明らかであれば、脳卒中(くも膜下出血、脳出血)などの脳疾患、心筋梗塞・心停止などの心臓疾患だけでなく、肺炎やぜんそく発作、十二指腸潰瘍などで倒れても、労働災害(労災)の対象になるというのが裁判例の傾向です。  問題は仕事が原因といえるかどうかで、過労で脳卒中や心停止などを発症し、時に死や障害を残す(過労死)に至る場合の労災認定については、厚生労働省の労災認定基準があります。
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精神障害・自殺の労災認定におけるストレス評価

長時間労働を続けるなどしてうつ病などの精神障害を発病し、場合によっては自殺に至る(過労自殺)ことが、仕事と関連があるとして、労災を認める裁判が相次いでいます。  背景には、労働者の自殺が急増し、精神障害や自殺について労災申請件数が激増しているのに、労災認定される率が低く、裁判に持ち込まれる事例が増えていることがあります。  厚生労働省の労災認定基準によれば、労災認定には、発病前のおおむね6か月
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事故や第三者行為災害による死亡・後遺障害と労災認定

仕事中に事故で怪我をしたり命を落としたりしたとき、労災認定されると、治療費や遺族への補償などを労災保険から支給されます。労災認定されるための要件は、①被害に遭ったときに仕事をしていた、②仕事をしていたために被害に遭ったという因果関係がある、の2点です。  ①について、例えば、勤務時間中でも職場を離れ、私用電話中に怪我をした事故は労働災害(労災)にはなりません。一方、道路工事の作業員が道ばたで昼食
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出張中の事故と労災認定、移動時間と過労死

出張中の事故に遭った場合、まず労災認定されるかどうかが問題となります。残業代が発生するかどうかに関しては、自宅と出張先との間の移動は一般的に労働時間とはみなされないことが多いのですが、労働災害(労災)の場合は、自宅を出てから自宅を戻るまで、移動時間や宿泊中も含めた全行程が業務の遂行と認められます。  ただし、宿泊先のホテルで泥酔して階段を踏み外したとか、ホテルへチェックインした後に私的な飲食で外
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職場トラブルによる暴行と労災認定

上司や同僚との口論がエスカレートして殴られ、怪我をした場合、労災認定されるでしょうか。  職場トラブルによる暴行が、仕事に関連して起きたのなら、労災認定されます。ただし、個人的な恨みなど、当事者間の私的関係に原因がある場合は、労働災害(労災)とは認められません。被害者が必要以上に相手を侮辱したり挑発したりした場合も、自ら危険を招いたのであり、仕事との関連性はありませんから、労災とは認められません
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会社行事参加中の怪我と労災認定

地域貢献活動の一環として、社員ボランティアを募って近隣の清掃活動を行っている最中に社員が事故に巻き込まれてケガをした場合、労働災害(労災)となるのでしょうか。  会社行事に参加している最中の労働災害(労災)について、行政解釈は、主催者、目的、内容(経過)、参加方法、運営方法、費用負担等を考慮して総合的に判断することとしています。会社行事の世話役等が自己の職務の一環である場合(社内的には庶務課員、
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早出残業やサービス残業中の事故は労働災害となる?

就業規則では就業時間は午前9から午後6時までとなっているのに、残業申請なしに1時間以上も早く出社して仕事をしている社員が社内で事故に巻き込まれた場合は、労働災害(労災)となるのでしょうか。また、終業時にタイムカードを打刻後、サービス残業をしているがケガを負ったら労働災害(労災)となるのでしょうか。  最高裁判決(平12.3.9)は、労働基準法32条の「労働時間に該当するか否かは、労働者の行為が使
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休憩中に昼食や夕食を買いに行く途中の事故は労働災害となる?

社員が昼食を買いに行く途中に事故にあったり、残業を命じられた社員が夕食を買いに行く途中で事故にあったりした場合、労働災害(労災)となるのでしょうか。  休憩時間中は使用者の支配下にあるとはいえませんので、その最中の災害が事業場施設の欠陥によるものでない限り、労働災害(労災)とはなりません。例えば、休憩室で仮眠中に近くに引き寄せていた電気ヒーターで火傷した場合は労働災害(労災)とはなりません。なお
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弁護士による労災事故・過労死の損害賠償のご相談 事故の人身傷害による後遺障害・慰謝料の請求は、つまこい法律事務所にご相談ください。 03-6806-0265 受付時間:平日 9:00~18:30 (当日相談可能) JR御徒町駅より徒歩5分 ご相談の予約