私の夫は大阪に単身赴任をし、僅か1か月余りで過労により、身体の不調を訴えました。その後うつ病を発症し、4か月後に自死しました。
当時、私自身生きていく気力さえも無く、毎日が暗闇の中でした。当初、夫の書き残したものを目にする勇気がありませんでしたが、ある日、思い切って日記を開いて見ました。
そこで私は、夫の死は「過労死」であると確信しました。夫のためにも、私が立ち上がるしかないと想い始めましたが、一人ではどうしていいのかもわかりませんでした。
長い年月がかかりましたが、やがて「労災」が認められました。その後、民事裁判になりましたが、1審は敗訴し2審から佐久間先生にお世話になることになりました。「家族の会」で噂になっていた「魔法使い」のような佐久間先生でしたので、なんとも心強いかぎりでした。本当にびっくりしたのは、沢山の資料に目を通し準備書面を作成してくださいましたが、夫のことと私の訴えたいことを、まるで透視したかのように的確に表現してくださり、思わず感動いたしました。やがて、裁判は和解というかたちで終わりました。
先生は本来、弱い者の強い見方でもあります。遺族は決して一人で苦しまないでほしいです。
夫の死から今年(2012年)でちょうど10年になります。娘と二人で夫を誇りに、前向きに穏やかに、そして強く生きております。まさか、自分自身に降りかかってくるとは思いもしない不幸でしたが、先生をお訪ねして、心のうちのすべてを託することができ、そして受け止めてくださったからこそと改めて、御礼申し上げたいです。「佐久間先生、ありがとうございました」