A・T様(神奈川県)  高校の剣道部練習中に倒れ、教諭の処置後、低酸素脳症と高次脳機能障害を負った事案

 私ども夫婦は、高校の部活動中に起きた事故による低酸素脳症及びその後遺症で現在も苦しんでいる息子のため、学校側の責任の追及及びこの事故により苦難の生活を強いられることになった息子への補償に関して、弁護士会で相談を受けた弁護士を通して佐久間弁護士にお願いすることになりました。

 最大の争点は低酸素脳症発症が学校側のとった処置が原因であるかどうかでしたが、事故発生後3時間半も放置された後に病院に搬送されているため、病院搬送時の検査では全ての検査結果が正常値に戻っており、このデータから医学的因果関係を証明することは極めて困難なものとなっていました。

 事故当時の状況については学校側の資料及び友人からの手紙の内容から、息子が部活動中に倒れた際に顧問の教諭が過呼吸と判断し、苦しがる息子の顔に約20分間もビニール袋を被せ続け、その間一度だけ様子見のためにビニール袋を外したとのことでした。このことから明らかに学校側のとった誤った処置方法が発症原因と考えられるのですが、それを医学的に実証する手立てがありませんでした。

 そこで定量的な証明は無理としても定性的にその可能性を証明するために実際にビニール袋を用意し、ビニール袋を顔に被せた状態で時間経過に伴うビニール内の酸素濃度及び被実験者の血中酸素飽和濃度の低減を測定する実験を行いました。実験は友人である医師の立ち会いの下で行われましたが、危険を伴い、且つとても苦しいものでした。それにも関らず、複数のデータを取るために佐久間弁護士も自ら被実験者となって下さいました。

 この難しい裁判は4年以上にも及び、最終的には双方が裁判所の和解案を呑むことで合意に至りました。和解案は他の判例などから見る限りこちら側の主張をかなり優位に取り入れてくれたものであると考えられます。これはひとえに佐久間弁護士の素晴らしい専門的情報収集能力とその解析能力、及び優れた質疑の展開手法のお陰であると思っております。

 今回佐久間弁護士が独立されるお話を伺い、今後の更なるご貢献と益々のご活躍を期待し、確信しております。

損害賠償(学校事故)に関するその他依頼者の声

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